第40回 日本血栓止血学会学術集会

The 40th Congress of the Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis

会長挨拶

 今回、第40回日本血栓止血学会学術集会を担当させていただき、大変光栄に存じております。本邦の血栓止血学研究におけるディスカッションの集大成の場である学術集会は、40回目の節目にあたり、はじめて北海道でおこなわれることになりました。
 日本血栓止血学会は、「血管の中では液体、外へでると固体」という血液の不思議な性質や、その異常に伴う疾患のメカニズムを追求し、血栓傾向や出血傾向に対して、よりよい診療・管理をおこなうことを目的に、1978年に設立されました。爾来、小児血液学、臨床検査学、生理学、血液内科学、循環器内科学、病理学、血管生物学、消化器外科学、救急医学、産婦人科学など、非常に多くの医学の専門分野が知恵をよせあって発展してきました。私自身は自己免疫疾患をあつかう膠原病内科が専門であり、血栓止血学にかかわる分野としてはマイナーですが、TTPの基礎疾患としてもっとも多いのは全身性エリテマトーデスであり、ITPや抗リン脂質抗体症候群もその部分症として高頻度であることはよく知られていて、血栓止血学の臨床において実は膠原病は重要疾患のひとつです。
 近年の血栓止血学は、新規の抗凝固薬をはじめとして効果的な抗血栓薬が次々と登場し、学問領域としてはたいへんホットです。また、本学会の対象としてもっとも重要な疾患のひとつである血友病に対しては、リコンビナント製剤などの新薬が使用できるようになり、安全性はここ10年で格段に進歩しています。血栓症はコモン・ディジーズであるにもかかわらず一般市民の関心が(がんなどに比べると)あまり高くない現状がありましたが、国際血栓止血学会が中心となってたちあげられた「世界血栓症デー」が10月に世界同時におこなわれるようになり、マスコミにとりあげられる機会も増えて、近年は注目される領域になりつつあります。血栓症は予防が重要であり、そのための市民の啓発活動は本学会の重要な使命です。
 今回の学術集会は、札幌の中心にあるホテルロイトン札幌を会場におこなわれます。そして、アジア太平洋血栓止血学会と同時開催が実現しましたので、海外の著名な研究者とも身近に接することができます。血栓止血関連疾患の寛解維持と予後改善のために、我々に何ができるか、何をすべきか、十分に議論できる機会となるよう準備をすすめております。6月下旬の札幌は、短い夏のはじまりであり、たいへん快適です。メロン、アスパラガス、積丹や利尻のウニなど、おいしいものが集中する時期でもあります。広大な北海道を舞台に、迫り来る夏のように熱いディスカッションが展開されることを願ってやみません。
 多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。

第40回 日本血栓止血学会学術集会 会長

第40回 日本血栓止血学会学術集会
会長 渥美 達也
(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授)